たぶん今年最後の更新に、最近の読書と見た映画のメモ。
まずは読書メモから。
- 作者: 吉野裕子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/05/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 本郷和人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/04
- メディア: 新書
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個人的な興味の問題で言うと、この本で江戸時代より前、安土桃山時代くらいまでの天皇の存在がどういうものだったかはある程度つかめてきたかな、あとは、江戸期以降ももう少し見ておきたいな、と思ってます。
- 作者: 鴨志田穣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/15
- メディア: 文庫
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この小説について言えば、これを読んで、俺の中では鴨志田穣という作家の評価をだいぶ変えました。00年代で最も重要な作家だったのではないか、と。少なくとも、個人的には。
端から見ると深刻この上ない状況に見えるのに、それを描く筆致は淡々として、ときにユーモラスでさえある、こういうのが書ける人というのは得難いものだと思うんですよね。欲を言えば、もっとこの続きが読みたかったな、と。
続いて、映画鑑賞メモ。
まずは、『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』。
特に何の事前情報もなく見てきました。見てからもう一月くらい経ってるので、結構忘れちゃってますが、わりと良かったんではないかな、と。若き日のジョン・レノン、ビートルズになる前のジョンを描くというのはなかなか勇気のいる挑戦だったと思いますが、俺から見ると、普通の良質な青春映画として成立していて、好感を持ちましたね。
ジョンという人は、特に日本ではかなり聖人君子的なイメージで消費されてるんじゃないかと思うのですが、俺がたしか小学生のときに読んだビートルズの伝記本にも、家庭生活の面ではかなり無茶苦茶だったというふうに書かれてて、表裏のギャップがかなりあったんだろうな、と思うんですよね。
この映画の中のジョンは、とんでもない不良で、まー、今の言葉でいえばDQN? そんな感じです。後のDV野郎の片鱗もちゃんとあって、彼の聖人君子イメージをぶっ壊してくれてて、そこはとてもよかった。ストーリーの重要部分は、ジョンとその実母と育ての親である伯母との間の複雑な人間模様、といったところ。こういうのをきっちり描いてくれる映画が俺は好きですね。ジョンの生い立ちがこの映画の通りだったと言えるかどうかは分かりませんが、1950年代の普通の若者を描いた作品として見て面白かったです。
印象に残ったのは、ジョンがニュース映画でエルビスの映像を見て前のめりになっっていくところと、彼が初めてギターを手に入れたときに自分の部屋にそれを飾って眺めるシーン。あー、誰でも同じことやるんだな、と。俺も初めてベース買ったとき、似たようなことやったな、と。あれですよ、アニメの『けいおん!』で唯が初めて買ったギターに名前を付けてうっとりするところがあったと思うんだけど、あれと基本的には同じ。そういうのが、リアル、かな。
ああ、あと、ミミ伯母さんは最高です。
最後は『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』の映画版。
上記の鴨ちゃんの小説の映画化ですね。
これはですね、もう予告編を見た段階で涙腺が危なくてですね、実際に見たらどうなっちゃうんだろうと思ってたのですが、案の定、後半は泣かされっぱなしでした。
欠点はないとは言いません。編集の問題なのか、若干時系列が分かりにくいかと。俺は原作を読んだばっかりだったので、その辺の問題は実際はなかったんだけれど、前後のつながりが1日後なのか数ヵ月後なのか1年後なのかちょっとつかみにくい気がしました。それはひょっとしたら意図された演出だったかもしれませんが。
しかし、そんなことは瑣末なことです。この映画で素晴らしかったのは、俳優さんたちの演技! 主演の浅野忠信さん始め、共演の永作博美さんも子役の子たちも、その他の脇を固めた方々もすごく良かったと思う。
なんというか、見ながら全然冷静でいられなかったので、「評価」という意味では自分に自信がありませんが見れてよかったな、と。
西原さんもちょっと出演しています。*1
さて、このあとには『毎日かあさん』の映画版というのが控えているわけですが、どう仕上がっているのか楽しみなような怖いような…。