ポール・オースターが好きだったりする。
ようやく読み終えました。↓
- 作者: ポール・オースター,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 単行本
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きっかけは、卒論のテーマに安部公房を選んで、それが行き詰まったときに、大学内の生協の売店で『幽霊たち』を薦められて読んだんだんでした*1。
なんというか、彼の作品は「物語についての物語」*2という感じの話が多くて、その辺が安部公房と重なるイメージがあって、卒論に向けての良い刺激にもなりました。
いちばん好きなのは、これかな。↓
- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
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で、肝心の『ティンブクトゥ』なんですが、これは犬の話。というか、犬と人間の話。
はまぞう(というか、Amazon)に「ホームレスを描いた作品」という解説が載ってましたが、えーそうなの?って感じで、読んでるときには、そんなことちっとも思わなかった。僕の知ってるホームレスとはずいぶん違っていたからかな。言われてみれば、確かにその通りですが。
感想としては、うまくまとまってはいないけれど、“人”生が過酷なように、“犬”生も過酷なんな、と感じたというか何というか。うーん、犬(それも飼い犬)の一生は、良くも悪くも人間(飼い主)次第で大きく変わってしまうわけで、そういう犬と人間の関係が、何かのメタファーになっていると読み取ることは可能だし、そう読むべきかもしれないけれど、まぁ、どっちでもいいと言えばどっちでもいい。支配(権力)と被支配(従属)の構造とか、良い君主と悪い君主の問題とか、どうでもいいじゃないの。
人間が頑張ってるのと同じくらい犬も頑張ってるんだよね。
面白かったよ。