読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

貧困ビジネス、続報メモ、その2。

関連→『貧困ビジネスの一例。というか、毎日新聞のスクープなんじゃね、これ。 - 23mmの銃口から飛び出す弾丸は
  →『貧困ビジネス、続報メモ。 - 23mmの銃口から飛び出す弾丸は
年末に動きがあったのをこちらでフォローしてなかったので、ちょっとメモだけ。
2009/12/29(朝日新聞)→『http://www.asahi.com/national/update/1228/TKY200912280466.html

千葉、埼玉など首都圏を中心に生活保護受給者らに宿泊施設を提供する「無料低額宿泊所」を運営する個人事業者ら3人が、2007年までの数年間で総額約5億円の所得を隠し、脱税したとして、名古屋国税局が所得税法違反容疑で検察当局に告発する方針を固めた。路上生活者らから生活保護費を吸い上げる「貧困ビジネス」が社会問題化するなかで、脱税の実態が明らかになるのは初めて。

 告発されるのは、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知の1都4県で21施設の「無料低額宿泊所」を運営し、業界2位の規模とされる「FIS」の経営者(45)=東京都文京区=と、いずれも東京都北区在住の50歳と45歳の幹部。

 関係者によると、経営者は入所者1人あたり毎月12万円前後支給される保護費から、家賃や食費約9万円を集めた。そのうえで各宿泊所の口座から経費を除く利益を自らの個人口座に振り込ませていた。幹部2人は、自治体との折衝や運営の助言などをし、経営者から報酬を受け取っていたという。経営者は07年までの数年間で約3億円、幹部2人はそれぞれ1億円前後を全額申告せず、所得を隠したとされる。脱税額は3人で計約2億円とみられる。

経営者は宿泊所を運営する際、社会福祉法に基づいて、不当な利益を図ることが禁じられている「第2種社会福祉事業」として自治体に届けていた。国税局は昨年11月、査察に着手し、経営者が代表を知人名義としていたことなどから、「経営の実態を隠したことは意図的で、悪質」と判断。3人はすでに修正申告を済ませているが、刑事罰を求めて告発することにしたとみられる。

 経営者と両幹部は、朝日新聞の取材に「事業は社会的意義があると信じているが、脱税したことは事実で、反省している」などと話している。
(後略)

http://www.asahi.com/national/update/1228/TKY200912280466.html

事業は社会的意義があると信じているが、脱税したことは事実で、反省している」というコメントがかわいいと思いました。
2009/12/30(朝日新聞)→『http://www.asahi.com/national/update/1230/NGY200912290015.html

約2千人の生活保護受給者らから利用料を集め、「無料低額宿泊所」を運営する業界大手「FIS(エフアイエス)」の経営陣3人による脱税疑惑で、事業経営者(45)=東京都文京区=が、名古屋国税局の強制調査(査察)後、コンサルタント料として2008年分の所得約3億円を申告していたことが関係者の話でわかった。法人化したFIS側から受け取ったとされる。税務上問題はないが、社会福祉法が禁じる「不当な営利」にあたる可能性を指摘する声もある。

 FISは首都圏を中心に21の宿泊所を運営し、経営者は、入居者1人あたり約12万円の生活保護費から家賃や食費などの名目で約9万円を集めた。そのうえで07年までの数年間で経費を除いた分にあたる総額約3億円を個人口座に振り込ませ、所得を隠したことが分かっている。

 関係者によると、任意団体のFISは、07年末に株式会社3社を設立し、こうした資金の集め方を一部変更した。地域ごとに21施設を振り分けて運営し、経営者は3社から毎月一定額を自らの個人口座に振り込みで受け取ったという。コンサルタント料は月額で3千万円以上で、年間で約4億円に上り、経営者はこのうち約3億円を、08年分の個人所得として申告したという。経営者は3社の役員には入っていない。

 朝日新聞の取材に、3社の幹部は経営者に年間4億円前後を支払う契約を結んでいるとし、「助言や指導、対外的な交渉などを含んだ金額」と説明。一方、経営者は「3億円弱の所得を申告した。ただ経費計上できない支出も多く、手元に残ったのは1億円台だ」と話す。

 名古屋市にあるFISの施設は高齢の入所者が目立ち、「例えばせんべい布団はこの数年間変わっておらず、壁材ははがれ落ちる。利益を入所者のために使って欲しい」と語る人もいた。
(後略)

http://www.asahi.com/national/update/1230/NGY200912290015.html

「経費計上できない支出」というのが何なのか気になりますね。朝日の記者さんは突っ込んで聴かれたんでしょうか。それとも言葉の綾的なもので、深い意味はないとか?
同じ日の別の記事(朝日新聞)→『http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000912300003

(前略)
 FISは生活困難者の自立を支援するため、宿泊施設提供を目的に02年に設立された任意団体。首都圏や名古屋を中心に21カ所の宿泊所を運営、県内には千葉、船橋習志野市に6カ所あり、定員計約565人がほぼ埋まっているという。同法違反に問われている3人は施設届け出上は団体から離れているが、実質的な運営者。


 FISが県内の各自治体に提出した08年度の収支報告書によると、6施設合わせて約7億340万円の収入があり、黒字にあたる収益総額は計約1億3400万円あった。収入のすべては、入居者の生活保護費から支払われる施設利用料だった。


 問題になっているのは、支出の中にある業務委託料約1億9600万円。千葉市によると、FISは都内や同市内の有限会社と結んだ業務委託契約書を市に提出しているが、両社は登記簿では昨年4月までに解散しており、委託実態は不透明だったという。有限会社はFISの幹部が役員を兼務していた。


 行政側は今年から委託の実態調査を始めているが、FIS側は「委託先との契約で話せない」などとして、具体的な説明を拒んでいるという。このため「有限会社に実態はなく、幹部へ渡す金を迂回(う・かい)させていたのではないか」(元入居者の代理人を務める棗一郎弁護士)との見方も出ている。

 これまでの朝日新聞の取材に対し、幹部の1人は「入居者への対応は自信を持ってやっている。千葉市の監査を受け、指摘された点はすでに改善している」と話しているが、施設内部の取材や会計についての具体的な説明は拒否し続けている。
(後略)

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000912300003

これは、毎日新聞も記事にしていた話。それを今度は朝日が蒸し返しているのかな、と。というか蒸し返すも何も、まだかたがついてない話なのかな。
ま、業務委託料を巡る不明朗会計の話から、脱税事件に発展したことで、当初の予想よりは大きな話にはなったかな。
というのが、昨年末の話なんだけど、これ、全て朝日新聞の記事。少なくともWeb上では他社の記事は見当たらなかった。
あれだけ熱心に報道していた毎日新聞はどうしたんでしょうか。それとも、今後また何か出てくるのか。俺が野次馬的に注目していた「金の流れ」はこの3人の幹部で終わりなんですかね。はてさて。