『シャツをジーンズに入れ、しっかりベルトを締めている。ベルトの位置が異様に高い。靴はもちろんスニーカー。』は本当にダメなのか。

ちと、古い話題かもしれませんが。元ネタはこちらのブクマコメント↓

だれか"シャツをジーンズに入れ、しっかりベルトを締めている"がなぜいけないことなのか、論理的・科学的に説明して欲しい(ファッション雑誌でダメって言われて〜とかじゃなく
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/yyamaguchi/20060808/p1

まず、間違えてはいけないよなぁ、と思うのは、「シャツをジーンズに入れ、しっかりベルトを締めている」は必ずしもいけないことではない、ということ。それと、全体のバランス。だって、シャツを外に出せばいいのかというと、別にそうでもないですから。
それと、「論理的・科学的」は無理っぽいです。なので、極めて主観的・情緒的に書こうと思います。
ところで、少なくとも、結婚相談所に登録し、女性と仲良くなりたいと考える男性ならば、服装(自分が相手からどう見られるかということ)に気をつかうのは最低限必要なことではないでしょうか。気をつかわなくてもいいけど、不利になるのは間違いない。服装に気をつかわない自分を気に入ってくれる女性がいい、と考えているのなら、それはそれでいいのかなとも思いますが、そういう女性は極端に少ないという現実も知っておいた方がいいのかな、とも思います。
僕の友人の一人は、かつて「男は女の顔を見る。女は男の服を見る。」というフェミニズム的に大いに問題のありそうな名言(いや暴言)を吐いたことがあります。もちろん、そんな人ばかりなわけがありませんし、それが世の中の多数を占めているとも思いませんが、それぐらいの心構えで自分の着る服を選んでいる輩もいる(この友人のように)、ということは言えそうです。
じゃなくて、服装に気をつかった結果、タイトルのようなスタイルになってしまう、というのならば、それはまた別の問題かな、と思います。



ちょっとだけ、話を具体的にしてみます。
服を選ぶときに一番重要なのは、流行に敏感であることでも、ブランドやおしゃれな店に関する知識が豊富であることでもなく、自分の体型(サイズ感)をきちんと知っておく、ということです。そんなの知ってるよ、と思われるかもしれませんが、これが案外難しい。服装のセンスに難あり、と思われがちの人の多くは、自分の体型に微妙に合わない服を着ている場合が多いように思えます。痩せ型なのか、太り気味なのか、筋肉質なのか、身長はどのくらいか、股下の長さはどのくらいか、首回りが細いか太いか、腕の長さはどのくらいか、肩幅は広いか狭いか等々、それら全てのサイズを数値で把握する必要はありませんが、気にした方がいい要素はたくさんあります。
逆に、自分のサイズ感がしっかり把握できていれば、タイトルのような服装でも、そんなに引かれない可能性があります。
では、どうすればそのサイズ感が分かるようになるのか。それはもう、ひたすら試着。どんな店に行っても、臆することなく試着。どんな形の服が自分の体型に合うのか、それを理解するには、やはり体そのもので感じないと。
ちなみに、僕自身が服を買うときに気をつけていることを、少し挙げると、

  • 肩幅がきちんと合っているかどうか。自分の肩幅よりも狭い服を着ていると、ちょっと間抜けです。ただし、体を鍛えている人が、それを強調するために小さめのサイズを選ぶのは、ありだと思います。あと、痩せ型の人に多い失敗に、自分のサイズ感よりも大きめの肩幅の服を選んでしまい、かえって貧弱に見えてしまうということがあります。また、そうでなくても、(特に襟のついた服で)大きめの服を選んでしまうと、ルーズに見えてしまうので気をつけたほうがいいでしょうね。肩幅、結構大事。
  • 腕の長さは合っているか。僕は身長に対して、腕が長い体型をしているため、長袖の服の場合、肩幅がぴったりでも袖がつんつるてんになってしまうことがよくあります。だから、試着は絶対に欠かせません。逆に、腕が短めの人の場合も、袖が長すぎる服は避けた方が無難だと思います。どうしても自分の体型に合う服がないときは、セミオーダーという手もありますが、根気よく探していけば、たいてい既製品で見つかります。
  • ズボンの長さは、履く靴のことも考えて。大体、まっすぐに立ったときに裾がくしゃっとなったり、引きずったりしない程度が目安。短すぎるのも考え物だけれど、引きずるよりはまし。
  • ズボンの胴回りは、ジャストサイズが基本。その方が楽だからと、大きめのサイズを選んでしまうのはNG。もちろんルーズに履くという着こなしもあるけれど、それをやって野暮ったくならないのは、かなりの上級者のみ。ベルトをしてもしなくてもズボンの腰の位置があまり変わらないものを選ぶようにしています。
  • シャツをズボンの中にどうしても入れたい人は、なるべく股上の浅めのものを選ぶ。結局、ベルトをする位置の問題なんですよ。へその辺りでベルトをするのは、スーツ(それも、ツータックのズボン)のときだけにしておいた方がいいでしょうね。ジーンズなら、腰骨の辺りでベルトを締めるぐらいの意識で良いと思われます。最初は違和感があるかもしれませんが、慣れます。
  • 靴を選ぶときは、全体のバランスも考慮して。例えば、上は背広の下にも着れそうな白いカッターシャツで、下はジーンズという場合は、靴はスポーツ系のスニーカーより、黒系統の革靴(ブーツとか、それらしい色や形のスニーカーも可)の方が無難でしょうね。逆に、スニーカーを履きたいときは、上に着るものをもう少しカジュアルな(色とか、柄とか)ものに変えましょう。


…って、ちょっと長くなりましたが、こんな感じかな、と。あと、靴に関しては結構難しいので、靴を中心に着る服を考えるような人ならともかく、そうでない人は、なるべく無難なデザイン(無地とは言わないけれど、黒一色とか)の靴を持っていると良いと思います。で、大切なのは、ちょっとぐらい値段が張っても、いいものを買うこと。ブランド物である必要はないけれど、フォーマルでもカジュアルでも履ける靴というのは、かなり重宝すると思いますよ。結果的に、悩まなくて済むから楽だし。
それから、服のデザインそのものには触れてませんが、もうね、それは好みの問題だから。一つだけ言えるのは、色の組合せは同系色やモノトーンが無難。で、派手な色合いは避ける。赤とかオレンジとか黄色とかピンクとかを、どうしても着たいという場合は、研究してください。


で、こういうことって、別に女性に関心を持たれたいと考えている男性以外にも応用が利くんじゃないでしょうかね。僕自身、服を買うときには、女性からよく見られたいということを意識してはいません。自分の中のルールとして、「好きな服を好きなように着る」ための最低限の配慮をしている、という感じでしょうか。
それから、僕は10年近く前に買った服でも、いまだにしょっちゅう着たりします。ただし、自分なりの解釈で組合せを工夫はしています。流行を追いかけても、そんなものには一生追いつけません、たぶん。そんなことより、自分の身体に合った服装を心がけることの方が、重要なんじゃないでしょうか。
結論らしきことを言おうとするならば、自分の体にきちんと見合うサイズの服ならば、「シャツをジーンズに入れ、しっかりベルトを締めている。ベルトの位置が異様に高い。靴はもちろんスニーカー。」のうち「ベルトの位置が異様に高い」*1以外はOKになる可能性もありますよ、ということですかね。

*1:これだって、ズボンがジーンズでなければOKになるかもしれないし。