最近読んだ本(8月以降)
たんなるメモですよ、と。以下、だいたい読んだ順。
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/08/31
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- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1993/08/31
- メディア: 文庫
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- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1995/08/30
- メディア: 文庫
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- 作者: つかこうへい
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1998/04
- メディア: 文庫
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- 作者: 本郷和人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/10
- メディア: 新書
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- 作者: 野内良三
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/05/25
- メディア: 新書
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- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 鈴木治
- 出版社/メーカー: 學生社
- 発売日: 1999/01
- メディア: 単行本
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でも、これ、岡田先生の日本の古代史観とは対立しちゃうんですけどね。その辺は本郷先生の言う「当為と実情」ということで処理できるのかな、どうかな、といったところ。ここら辺を説明しだすと大変なんで、読んでない人にはさっぱりだと思いますが、あしからず。
というわけで、どれも褒めてばかりでなんですが、外れを引かなくてよかったな、と。
「父と息子の物語」(『ヒックとドラゴン』と、ちょこっとだけ『インセプション』について)
先週の木曜日(8/26)に仕事の予定がぽっかり空いて、このチャンスを逃すと次は大分先だなと思ったので、休みを取って、映画を2本はしごしてきた。
1本目は『ヒックとドラゴン』。
- アーティスト: John Powell
- 出版社/メーカー: Varese Sarabande
- 発売日: 2010/03/23
- メディア: CD
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登場するドラゴンたちの造形もアクションもいいし、何にも考えずに見ても、ちゃんと楽しめる作りになっている。俺もドラゴンに乗りたい!って感じ。
その一方で、解釈がいろいろできるような厚みもある。人間とドラゴンの関係については他にも深く考察してる人が居るようなので、省略。俺がここで書きたいのは、この映画が「父と息子の物語」である、ということ。
主人公のヒックはバイキングの村に住む少年。父親は偉大なバイキングのリーダーだが、ヒックは腕力もなくバイキングの子供たちの中でも「落ちこぼれ」と見なされている。ひ弱な息子は父親にとっても悩みの種だ。母親は亡くなっているらしい。しかし、ヒックは他のバイキングたちにはない、優しさや知恵があった。
ひ弱な少年が、優しさと知恵と勇気を発揮して困難を乗り越えていく、というのは少年向けの物語の王道だ。日本でも、映画のドラえもんなんかは、だいたいこのパターンだし、他にもいろいろある。
しかし、日本の子供向けの映画にはあんまりなくて、アメリカの子供向けの映画には結構よく見られるのが、この少年の成長譚に父と息子の関係を持ち込むこと。
なんというか、アメリカ映画を見ていて時々思うのが、「全ての息子は父親を乗り越えなければならない」という強迫観念みたいなものがアメリカにはあるんだな、ということ。そして、この強迫観念は「偉大な(マッチョな)父親」を持つ息子に重くのしかかるものなのだ。
ヒックも例外ではない。彼の偉大な父親は、少年にとって誇りであると同時に足枷でもある。ヒックが偉いのは、自分は父親のようにはなれないと始めから悟っていることで、であれば、正攻法ではなく別の方法を探ろうとしているところ。つまり、肉体を鍛えることよりも、知恵を働かせようとしているところ。
その過程の中で、彼はドラゴンについて他のバイキングとは異なる見解に達し、それを実践に生かそうとする。それは同時に、バイキングの象徴たる父親との対立を意味している。物語の終盤の大活劇に至る背景には、こうした父子の緊張関係があるのだ。*1
そして、物語の結末においては、この父と息子がどのように和解するのかというのも大きなポイントになっている。息子は大きな犠牲を払い、父親は息子の行動と思想を受け入れ、物語の中のバイキングの歴史を大きく転換させる。ある意味で、玉虫色の結末になりかねないこの手の話で、この辺りの処理の仕方は素晴らしく、深みのあるものになっていた。
で、もう少し、この「父と息子の物語」について考えてみたいのだけれど、アメリカにピクサーやドリームワークスがあるのに対して、日本にはジブリがあるわけだが、ジブリの作品というか、宮崎駿監督作品には、この父子の緊張関係というのは見事に抜け落ちているように思える。これって、なんなんだろう。
そもそも、ジブリ作品に出てくる少年たちは父親の存在が希薄だ。コナン(『未来少年コナン』)もパズー(『天空の城ラピュタ』)もアシタカ(『もののけ姫』)も孤児のようだし、宗助の父親は存在を確認することはできるが、ほぼ不在だ。*2これは、宮崎作品に限って言えば、監督の興味の方向がそういうものなんだな、ということで片付けられるが、父子関係がきちんと描かれるアニメ作品というのは他にもあんまり思いつかない。
『エヴァ』というのはあれはあれで重苦しい父子関係が描かれるけれど、息子にとっては不在であった父親との葛藤、というものではないだろうか。
どうも、日本では「父親は息子にとっては不在」というのが物語のデフォルトになっている気がする。*3
ここら辺は、日本とアメリカ(あるいはヨーロッパもか)の文化や宗教の違いというのも大きいように思うのだけれど、俺の中でも上手く整理できていないので、誰か詳しい人に考察してもらいたいなー、と思う。ちょっと思いついたのは、「日本では仕事に没頭して家庭を顧みない父親というのが多くて、それがフィクションの世界にも反映されてるのかな」とか、あるいは、もっと根深い歴史的な問題なのかな、とか。
一応断っておくと、「父と息子の物語」がない日本の映画はアメリカ映画に比べてダメだとか、そういうことを俺は言いたいわけではない。両者の違いがどこから来るのかが興味深い、ということ。
んで、2本目が『インセプション』。
- アーティスト: ハンス・ジマー
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2010/08/04
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クリストファー・ノーラン節炸裂の、めくるめく映像体験、みたいな。結構無茶な話なんだけど、それに説得力を持たせる力技が楽しい。
この映画を見た後、劇場を出たときに、多分誰もが考えることは一つで、まさに映画的な観客同士の一体感を味わわせてくれる傑作じゃないかと思う。
ところで、この作品の重要なサブストーリーの一つに、実は「父と息子の物語」が組み込まれている。これを見ながら、俺は、「息子は父親を乗り越えなくてはいけない」というオブセッションは相当根深いんだな、と思った。
ま、そういうこと。
ちょっと今朝のTwitterでの発言の補足。
今朝、Twitterの俺のタイムラインに流れてきたニュース。→ 韓国“K-POP”は反日ソングだらけ! あの『少女時代』までも反日ソングを歌う | ガジェット通信
ちょっと、引用↓。
韓国のポップソング“K-POP”に奇妙な現象が起きている。それは上位に反日ソングが君臨するというものだ。日本人を罵倒する曲や日の丸を引き裂く韓国のロックバンドなど韓国でも問題視されているものがある。
今回はそんな“K-POP”事情を紹介したい。
『fUKk zAPAN』百済(baek-je)
韓国“K-POP”は反日ソングだらけ! あの『少女時代』までも反日ソングを歌う | ガジェット通信
この曲は日本人をバカにした内容の歌詞で話題になっている。一部日本語なので聴けばわかるだろう。日本人の発音のおかしさに対して「障がい者」「糞日本人」などという罵倒入りの歌詞で歌う曲だ。皮肉にもインディーズチャートにて2位を記録するほどヒットしてしまった。
http://www.youtube.com/watch?v=H6pZ6N_gdYA
(後略)
まず、俺自身の「政治的な立場」を明らかにしておくと、俺は基本的にナショナリズムというものが嫌いだ。そういう意味で、日本のナショナリズムも韓国のナショナリズムもどっちも好きではない。日本国内での嫌韓の風潮も、韓国内での反日ナショナリズムも困ったもんだと思うし、そんなものはなくなって欲しいと思っている。*1
なので、このニュースを目にしたときの感想としては、まず「つまんないことやってるな」というものだった。
でも、その一方で、視点を変えてみれば、例えば「反日」というキーワードを「反米」と置き換えると、「反米ソング」なんてものは世界中にありふれているわけで、そういう意味では「反日ソング」というものが存在してもいいんだろうという気もしないではない。それは、「表現の自由」というものの範囲内では許容できる、ということだ。
で、ここからが問題なんだけれど、反日ソングがOKならば、反韓ソングもOKということになるんじゃないか、とも思うわけだ。俺としては。何が言いたいかというと、この『fUKk zAPAN』とか『独島は我が領土』なんて曲が気に入らない人が居るなら、それらに対してアンサーソングでも作ったらどうか、ということ。ま、既にインディーズのレベルではあるかもしれないが。
音楽で売られた喧嘩は音楽で返すのが礼儀、と言うと、幼稚に思われるかもしれないし、相手と同じレベルに降りてどうする、みたいなことを言われるかもしれない。でも、俺としてはそれでいいんじゃないかと思う。そういう幼稚なレベルでやりあって済ませるというのは、ある意味で音楽やアートの効用だ。音楽のフィールドでdisりあってるうちは、戦争なんかをやるよりよっぽど平和だし、汚れた大人の意見としても、それで音楽業界が活性化するなら、そういうビーフを演出するのもありと言えば、あり。
とはいえ、アメリカ東西海岸のヒップホップ抗争は死人が出るほどの事態になったこともあるし、そうなっちゃうとダメだよな、とも思う。あくまでも、音楽のフィールドで、というのが俺の考え。
というようなことを考えて、今朝、Twitterでちょこちょこつぶやいてたんだけど、そうしたら、「在日韓国人が多いのに韓国人disソングなんか作ったら民団が何するかわかっててそう主張してるとしたら、他人事にしても楽観的すぎです。」「たいていのアーティストならやめますよ。民団に拉致されて海に沈められるのがわかってるのに韓国disソングなんて作るわけない。作る奴は後先考えないバカだけでしょう。」「そんなこと言うなら23mmさんが自分でやってみろって話です。他人事だからと無責任に発言するのはどうかと思いますが。アンサーソング作ったアーティストが殺されても23mmさんは標的にならないわけだし、安全地帯から煽るのは卑怯ですよ。」というコメントをいただいた。*2
こう言われると、俺としては「(民団の圧力なり暴力なりが)怖いならやめればいいと思う」としか言いようがない(もしくは、何かやり方を工夫するとか?)。俺も、死人が出たらダメだよな、とは思ってるし。ただ、本当に民団がそのような行動に出るのかどうかというのは、俺には分からないし、その点については同意も不同意もしかねる。
しかし、反韓ソングなんかを作ったら、民団はともかく、いろいろと面倒なことにはなるだろうということは、想像できるので、その意味では、「他人事だからと無責任に発言するのはどうか」とか「安全地帯から煽るのは卑怯」というのは、全くその通りだ。俺は、最初からそういう卑怯な立場で発言している。ただし、そういう理由で表現ができないというのは、それはそれで「表現の自由」が抑圧されてるってことで、困ったことだな、とも思う。
さて、俺の政治的な考えの話に戻ると、俺自身は反日ソングそのものには感心しないし、反韓ソングが作られたとしてもその内容に共感することはないだろうと思う。もちろん、「表現の自由」は守られないといけない、と考える。(音楽による)dis合戦を野次馬的に傍から見てみたいという欲望は、あることはある。うん、卑怯だな。
だけど、そもそもそういった反韓ソングを作りたいと考えている人が居るのかどうか、そこのところがよく分からない。そもそもそういう人が存在しなければ、それはそれで俺の政治的な立場からは結構なことだ、ということになる。
と、まー、こんな感じでグダグダで申し訳ない。補足になってるかどうかも心もとないが、一応、俺の考えを書いてみた。
今年(2月以降)読んだ本
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/02
- メディア: 新書
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- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1977/01
- メディア: 新書
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- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/08
- メディア: 文庫
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- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/02
- メディア: 文庫
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- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2003/07
- メディア: 単行本
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日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫)
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/06/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 網野善彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/07/06
- メディア: 文庫
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- 作者: 高島俊男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/19
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これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
- 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 単行本
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- 作者: 網野善彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/09/10
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- 作者: 網野善彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/06
- メディア: 文庫
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- 作者: 網野善彦
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1993/06
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ということで、上に挙げた本を今年に入ってから読みました。小説は1冊も読んでません。あと、漫画は省略してます。
サンデル先生の本以外は、みんな歴史がらみの本ですね。
岡田先生の『世界史の誕生』と網野先生の『日本の歴史をよみなおす』は、特にエキサイティングな読書体験でした。俺はね、世界史、アジア史、日本史に対する考え方・見方が大分変わりました。この辺の本は、興味のある方には是非薦めたいですね。
以上、生存報告でした。
ちょっとテスト。
サブアカ作って、そっちでTwitterとの連携を試してみます。
問題なければ、そのままログ置場にする予定。
これね。→『23mmのTwitterログ置場』