人間は、どうして「セックスは、気持ちいい=快楽」というものにしたのか、ということについて、トンデモなことを書く。

まず、前提として、「セックスは気持ちいい」という感覚を共有していない人には通じない話だよなぁ。「セックスは気持ちよくない。その文字の並びを見るだけでも嫌だ」という人は、読まない方が無難でしょうね。あ、あくまでも個人的な意見ですよ。裏づけも何も無いんで、だから、トンデモなんですが。
ほんとうは匿名ダイアリーに書こうかとも思ったくらいなんですけど、ま、それはやめときます。
なので、初めて「続きを読む記法」を使ってみます。


そもそも、人間以外の動物(植物も?)にとって、生殖行為というのは気持ちいいものなのだろうか? そこがよくわからない。少なくとも、人間みたいに(人によっては)あんなに時間をかけてする動物がいるなんて話は聞いたことがないけれど。たぶん、人間ほど生殖行為を楽しんでしまっている動物は、他には居ないんじゃないかなぁ。


で、どうしてそういうことになってしまったのか、ということなんですが、それは、人間が「死」というものの存在を知ってしまったからじゃないのかな、と思うんですよ。
「死を知る」ということは、「自分もいつか必ず死ぬ、ということが分かる」ってことです。人類の進化の歴史の過程のどこかの時点で、人間はそれを知ってしまった。そこが動物と人間を分かつ境目なのかな、という気もしますが、それはまぁ、いい。
それを理解した最初の人間は、ものすごくパニックになっただろうな、と想像します。たぶん、絶望のあまり発狂したかもしれないな。でも、その理解はやがてほとんど全ての人々に共有される認識になった。
そこできっと、人間は本能から解放されちゃったんですよ、ある意味。もちろん、死ぬのは怖い。腹が減れば不愉快だから、食べる。でも、本能のままにやっていたであろう生殖行為は、義務ではなくなった。少なくとも、男にとっては。
本能としての生殖行為から解放されてしまった男にとっては、生殖行為をしたいという動機付けが低くなってしまう。してもしなくても、自分が死んでしまうことには変わりがないから。男は、出産の機能を有さないので、自分の子孫を自分の分身とは捉えにくいんじゃないのだろうか。男女の非対称性?というのは、やっぱりその辺から始まっている気がする。でもまぁ、よく分からないのでその点は保留。
とは言っても、それで本当に生殖行為をしなくなったら、人類は滅亡してしまうので、何とかしなくちゃいけなくなった。遺伝子か何か、人類という種を保存しようとする何者かが頑張って、本能が無くても生殖行為をしたくなるような工夫がなされた。
つまり、それが、セックスは気持ちいい、ということ。
生殖行為を快楽にしてしまった。それこそ、一時的にせよ、死の恐怖を克服できるほどの快楽です。


そして、その快楽を欲するという欲望は、生殖行為の本来の目的をはるかに上回る効果をあげていくわけです。
これは勘でしかありませんが、男の方が女よりもその快楽を激しく求めるようになってしまった。売春婦というのが、人類最古の職業である、なんて言われるのもそのせいではないだろうか。そして、極端な言い方をすれば、そのことによって経済が生まれた。あるいは、経済が生まれたことによって、売買春という行為が始まったのかもしれないが、両者はその発生時期を同じくしているんじゃないだろうか。
どちらにせよ、セックスしたい・快楽を得たいという欲望が、経済を、文明を、文化を、歴史を、発展させていった、というのはそんなに突飛な発想ではない、という気がします。発展だけじゃなくて、戦争とか、貧富の差とか、差別とか、その他もろもろの負の側面もありますが。


つまり、今の人類の繁栄の基盤になっているのは、「セックスが気持ちいい。その快楽を得たい」ということ。そして、セックスが気持ちいいのは、そうしておかないと、みんな生殖行為をしなくなってしまうほど、「自分が死ぬこと」を認識することによる絶望が大きいから。結果、人間は生殖行為から離れて、その快楽ばっかりを追求するようになってしまった。その証拠に、現代では、生殖行為を伴わずに快楽を提供するというサービス・商品がものすごくたくさんあるでしょ、ということ。
ついでに、余計なことを書いておくと、宗教ってのは、その人間があまりにも快楽に没頭してしまうことを、セーブするために生まれてきたんじゃないかな、と。あるいは、死への恐怖を和らげる装置として、セックスと宗教はコインの裏表なんじゃないのかな。外れてたら、ごめんなさい。


付け加えておくと、僕はここまで書いてきたことが当たっていたとして、それを倫理的あるいは社会的な側面からは、否定する気も肯定する気もありません。それに、こういうのは、個々の人間の多様性とか可能性を思いっきり捨象した話なので、比喩としては楽しんでもいいかもしれないけれど、あんまり本気にしないで下さいね


※どうでもいい追記

たぶん、ネアンデルタール人も「死」を知ってたと思う。でも、彼らがホモ・サピエンスに負けちゃったのは、セックスを気持ちいいものにしなかった(できなかった?)からじゃないかな。
これが本当のトンデモだな(笑)。