次の総選挙では、政権交代が実現しそうだとかフカシ。

これまたちょっと前のことになるんだが、『Will』*1という雑誌の11月号をコンビニで立ち読みした。民主党小沢一郎党首についての特集で、要するに小沢はヤバイからやめとけ、ということ。
で、目を引いたのが中西輝政という人の書いた『「悪魔の密約」小沢一郎日本共産党』という記事。タイトルからしてものすごいのだが(悪魔呼ばわりかよ…)、内容は「小沢一郎は左派との交流があって云々、共産党は旧社会党や現在の民主党も取り込んでいて(スパイを送り込んでいる?)云々」ということらしい。ごめんなさい、ちゃんと読んでないからよく分からない。
ただ、その中で「あれ?」と思ったのが、共産党の次の総選挙への取り組み方について触れた部分。「共産党は次の総選挙では300の選挙区全てに候補者を立てる方針をやめて、大幅に候補者数を絞り込む方針を立てた」というようなことが書いてある。それが、この記事の言う小沢一郎共産党の「密約」で、これによって、各選挙区1万票くらいの共産党の得票が、自動的に民主党候補へ流れることになり、次の総選挙からは、何もなくても政権交代が起きる仕組みが出来上がった、というのだ。
へ? そうなの。
僕は、共産党が「全ての選挙区に候補者を立てない」という方針に変わったことを知らなかったのね。やっぱり、「赤旗」を読まないとあそこの党のことは分からなくなるな。
調べてみると、本当らしい。→『新しい政治 探求の時代 主導的に切り開こう/日本共産党 第5回中央委員会総会開く/「綱領と日本の前途を語る大運動」提唱(2007年9月9日(日)「しんぶん赤旗」)』
以下引用。↓

きたるべき総選挙でどうたたかうか。参院選の総括などをふまえ、志位氏は、新たな方針を提起しました。

 一つは、得票目標は、今回の参院選で掲げた「六百五十万票以上」とし、これを当面、衆参の国政選挙の共通の全国的目標として掲げて、その達成をめざすことです。

 もうひとつは、比例代表での前進に力を集中できる選挙態勢をとることであり、そのために、「すべての小選挙区での候補者擁立をめざす」としたこれまでの方針の見直しを提起しました。

 第一は、小選挙区での立候補について「参院比例得票を8%以上獲得したところで、日常的、系統的に活動できる力量ある候補者を擁立できる選挙区」と「各都道府県で一選挙区以上」で候補者を擁立してたたかうことをおよその目安にして、都道府県の自主的判断で決定することです。

 第二は、比例代表選挙の候補者は、ブロック全域で活動する候補者に加えて、すべての都道府県から擁立することです。

 志位氏は、この方針見直しについて、いまの党の力量をリアルに検討した上での提案であると説明。全党が知恵と力を合わせて開拓すべき探求課題として、総選挙の比例代表選挙で前進するための活動を文字通り日常不断のとりくみにする、党機関と幹部の力を比例選挙に集中できる利点を最大限生かし切る、という二点を強調しました。

密約はともかく、これは確かに大きな(見逃せない)変化だとは思う。
共産党の支持者であっても、どう考えても当選の見込みのない候補者よりも、与党の候補者と接戦を演じている他党(ほとんどの場合民主党)の候補者に投票する、ということは前からあったはずのことだ。実際僕もそうしている。しかし、それは若干後ろめたさを伴う行為でもある。
それが、そもそも公認の候補を立てないのであれば、選挙区は他党(民主党)へ投票し、比例では共産党に入れる、ということが自然になる。共産党民主党の得票を合わせれば与党の候補者を上回る選挙区では、かなり確実に民主党の候補者が勝てる(かもしれない)。
この件については、産経新聞の記者さんのブログで愉快なことが書いてあった。→いわゆる「プロ市民」が共産党の選挙戦術を変えたのかも:イザ!
まぁ、「無党派の一主婦」の話は本当かもしれないけれど、そんなことだけであそこの党が動くとはちょっと思えない。それはともかく。
以下引用。↓

しかしまあ、左の陣営は、自治労にしても日教組にしてもプロ市民にしても9条の会にしても、実によく運動・活動しますね。保守系の人たちが、小異にこだわり大同を忘れているうちに、サヨクは着々と地歩を固めていたと。

 国会議員会館をうろうろと回っても、左派系諸団体からの陳情書や要請書は腐るほど見るのに、保守系のそれはほとんど目にしません。危機感が違うのかもしれません。そしてこれが、日本の現状を招いたのかなともふと思いました。

「日本の現状」って一体なんのことだろうというのは置いておいて、「左の陣営の活動」についてなんだけど、僕の印象では左派の方が「小異にこだわり大同を忘れて」いたような気がする。その中でも共産党というのは、野党共闘をぶち壊しにしてきた党だという印象を持っている。逆に、保守の方こそ自民党のように小異を挙げればきりがないような人たちの集団を作っているじゃないか、と思っていた。保守・右派の人がそれとは逆の印象を持っているというのは非常に興味深かった。どっちも隣の芝生は青く見えるということか(違う)。


えーと、このブログでは、基本的に政治の話題は意識的に避けてきたのだけれど、その方針は今後も変えません。ただ、最近、自分の政治的立場を半分カミングアウトしたような感じになったのと、政治的な主張とは別次元で興味深いことだったので、この記事を書きました。僕自身が何か特定の政治的な主張をするつもりはありません。