男が普通にスカートをはけるような世の中は、たぶん、今よりちょっと楽しい。

この間書いた『僕は、スカートを着たり、ミュールを履いたりしたい、と思ったことがある。今でも、時々思う。』の記事に、nodadaさんからトラックバックをいただきました。*1『腐男子じゃないけど、ゲイじゃない - 冠婚葬祭・トラバ祭り。』
そちらのコメント欄にお返事を書こうとしたのですが、ちょっと長くなりそうなので、こちらでエントリを起こして、トラックバックしておくことにしました。なので、この記事は、上記のリンク先を読んだうえで、読んでもらえるとありがたいです。


nodadaさんの記事は、僕がぼんやりと観念的に書いていたことを、より掘り下げて具体的な話にしてくれたのかな、と思いました。面白かったです。
たしかに、僕の意見というか考えは、ラディカル(根本的、という意味で)なものなんだろうな、と思います。そういう自覚は持ってます。でも、そんなに特殊な考え方でもないだろ、とも同時に思ってます。
あと、「ゲイ男性は女装をする」とは思ってないですよ。「ヘテロ男子だって女装をする人は居るし、ゲイ男性だってする人はする」という認識です。で、「女装」したいのならば、それはそれですればいいじゃん、と思います。ただ、「女装」でないスカートのはき方もきっとあるんだろう、ということです。
それで、「男も普通にスカートをはく」という世の中になるためには、「スカートなどを履く事をよりファッショナブルな位置づけにし、ジェンダー表現の演出として精度を高めること」はとても重要だ、と僕も考えます。
スカートオンパンツなんて着こなしが登場したとき、僕は、「うわ、ダサ」とまず思ってしまったのですが、人によってはかっこよく見せている人も居るな、と気付いてから、「あぁ、これだったら、男でもやれるかもな」と考えるようになりました。例えば、極端なダメージドジーンズに、チェック(赤・黒の)かなんかの巻きスカートっぽいものを合わせて、軽くスタッズを打ったダブルのライダースジャケットを合わせれば、パンクファッションとして十分通用するな、とか*2
ただ、ここが難しいなと感じるのは、本当にファッショナブルなものは「一部の人のもの」になりがち、ということ。だって、他の人と同じような恰好は「おしゃれじゃない」から。それで、一般にはなかなか浸透していかない(かもしれない)、という危惧もあるんですよね。
とはいえ、それこそ、机上の空論で終わらせてはどうしようもないので、恐れず実践していけば、そのせめぎ合いの中から、新しい世の中が見えてくるんでしょうね、たぶん。


あ、それと、ここはululunさんと僕の違うところかな、と(nodadaさんのエントリのコメント欄に、ululunさんが書き込まれた内容の「個人的には「好きなら何着ても良いじゃん」ただそれだけで他者からの承認なんかどうでも良いというか犬に食わせておけという感じ。」という部分から)思ったのは、「好きなら何着ても良いじゃん」は全くその通りなんですが、「他者からの承認」もそれなりに大事なんじゃないかな、と僕が考えているところ。
現実的に考えて、「他者からの承認」がなくても好きに着られる人もいるけれど、「承認」があればその数は確実に増えるだろうから。「スカートをはく」ことに前から密かに興味のあった人は、もちろんやるだろうし、また、全然興味のなかった人でも、周りの状況に合わせてやってみようかと考えるかもしれない。で、僕は、そっちの(「他者からの承認」がある)世の中の方が楽しそうだ、と思うんです。
つまんない、よりは、楽しい、の方が良いよな、と。
まぁ、最初の取っ掛かりとしては、「犬に食わせておけ」で始めちゃえばいい、とは思います。でも、その先に、「男がスカートはくのが変?なんで?」って、多くの人が言うような世の中になると楽しそう、という感覚があっていい、と僕は考えます。というか、そういう世の中になってほしい、だな。*3

*1:どもども。ちょくちょく読んでもらってるそうで、光栄です。

*2:靴はブーツ(ワーク系かミリタリー系か)にして、髪型も頑張って。痩せてないと厳しいですが。

*3:あ、着たくない人は着なくていいんですよ。もちろん。男でも女でも誰でも。