NHK教育テレビ『福祉ネットワーク|この人と福祉を語ろう 漫画家・西原理恵子 家族が“アルコール依存症”になったとき』を見ましたよ。

番組の公式サイト→http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/0803/80331.html
Twitterのログより。↓

録画しといた西原理恵子が出演したNHK教育の『福祉ネットワーク』を見た。西原さんにして、アルコール依存症に対する認識がかつては低かったのだなー、と思い知らされる。でも、世間の依存症に対する認識って案外こんなもんか、という気もする。途中で何度も泣きそうになった。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784485103

考えてみれば、鴨志田穣氏はある意味で恵まれていた、とも言える。いわゆるアル中の人たちは家庭が完全に壊れてしまって、どうにもならなくなってしまった人も多い。たとえ離婚しても、彼を完全に見捨てなかった西原さんは偉いな、と素直に思った。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784486921

鴨ちゃんが亡くなったとき、喪主が西原さんだと知って、あーこの夫婦はやっぱり別れられなかったんだな、と思ったのだけれど、そんな単純な話ではなく。『毎日かあさん』にも描かれていたが、こどもたちを傷つけなかったことと人として死ねることがうれしい、という鴨ちゃんの最後のセリフがもう…ね。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784489619

いずれアルコール依存症についてはブログでも書こうとは思っているのだけれど、なかなかうまくいかない。世間では自業自得と思われてて、それは半分当たってるんだけれど、そんな言葉に意味はない。だって、病気なんだから。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784491488

病気ってのは、風(邪)と一緒。「裸で寝てたお前が悪い」ってのは、それはそうなんだけれど、現に苦しんでる人を救うことには全くならない。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784492663

アル中の治療には、家族の理解と支えが非常に重要なのだけれど、治療に至る前に家庭がぶっ壊れてしまうケースも多くて、そこが悩ましい。50過ぎの一人暮らしの男性が酒浸りでも、それを援助しようとしてくれる人はまれだ。何よりも一人だと自分が病気であるという認識が持ちにくかったりする。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784495625

死ぬかホームレスになるかその両方か、そこまでの距離は思ったよりも近いよ、きっと。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784496783

でも、簡単には死ねないんだよね。それがまたつらい。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784497391

吾妻ひでおの『失踪日記』なんかでもアル中の悲惨さは描かれているけれど、彼は生還したからああいう表現ができるんだよな。面白いし、好きな作品だけど、現実に自分の身に振りかかってきたら、まー楽しくはないな。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784500264

西原さんもテレビで言ってたが、コンビニで24時間100円の酒が売っている、のが現実。そこと闘うのは並大抵の意志では無理。アル中の患者はその意志を要求される。だから、一人は厳しい。支えがほしい。コンビニで安酒を売るのはやめてほしい。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784502015

鴨ちゃんは家族に憎まれずに亡くなった。それは彼が戦ったから。戦えたから。結果的には彼の人徳ゆえなんだろう。西原さんと子供たちの力もすごい。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784503830

家族を憎みながら生きるのは…、簡単には言えないけれど、つらいよな、やっぱり。憎まずに済むならその方がいいよ。許す機会を逃してしまうと、もうどうしようもないのかもしれないが。

http://twitter.com/nijuusannmiri/statuses/784506177

こう書くと、付け加えることが何もないような気もする。鴨志田穣氏は腎臓ガンで亡くなったそうだ。
西原理恵子氏は番組の中で、鴨ちゃんのことを「怠け者」だと思っていたがそうではなくて「アルコール依存症という病気」であるともっと早く気付けていたら…、というような趣旨の話をされていたけれど、本当にそれはその通りなんだけれど、やはりつらいなと思う。
鴨ちゃんのweb上での最後の連載にこんな文章がある。

気になる記事が一つあって、切り抜いておいたのだった。
「何、何かおもしろい記事でもあったの」
「ああ、これ。行ってみたいと思わない?」
インドネシアの農民がマグロの大型遠洋漁船に乗りこんで、漁師になる、という話だった。

「もともと漁師と違って農民だから金を蓄える。漁民は儲けた金は一晩で使うが、農民は蓄える。土地を買う。牛を買う。次にトラクターを買う。家を建てる。農民は成功者が多いから乗り組み希望者が今は順番待ちの状態だ。日本船も我々も助かる。農民も潤う。良いビジネスだ」
と、現地派遣会社社長の言葉が添えてあった。

「どう、おもしろいでしょ。日本だと『マグロ船に乗るか』が脅し文句だけれど、インドネシアじゃサクセスストーリーなんだよ。まぁ、ステレオタイプの話で失敗した男たちもたくさんいるだろうけれどさ。その失敗した男たちの話ってのを取材したくなってね」

「あんたじゃないの。まんま。あんたの人生そのものです」
「そうかなぁ。お、俺は、俺たちは二人とも漁師だと思ったんだけど・・・」
「あははっ、そうかあ、二人とも漁師だあ。先のことなんて考えられないもんなぁ」

「そうだねぇ・・・」
彼女は急にしんみりした顔になった。くり出した言葉を頭の中で蘇らせてみる。“未来”という言から“命”につながったようだ。

僕はこのくだりがとても印象に残っていて、時々思い返す。大好きな文章だ。
鴨ちゃんも西原さんも、なんて素敵なんだろう。