90年代(私的)ベストディスク10(邦楽編)

洋楽編に引き続いて、邦楽編をお送りしようかと。
そんなのBLANKEY JET CITYTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのアルバムをずらっと並べれば終わりじゃねぇか、とも思いますが、それじゃあんまりなので、1アーティスト1枚のルールでいきます。ジャンルは特にこだわりがありませんが、ロックに偏るのは、まぁ、そういう人間なので。


BLANKEY JET CITY『C.B.Jim』

C.B.Jim

C.B.Jim

この当時はバンド名に“THE”が付いてた。このバンドは全てのアルバムが素晴らしいけれど、個人的にいちばん思い入れのある作品はこれ。疾走感と抒情性を兼ね備えた稀有なロックンロール。今はそうでもないかもしれないけど、彼らが登場したときの日本の「良質な音楽」というと“抒情性”ばかりが強くて、“疾走感”はあんまりなかったような気がする。このバンドの独特な疾走感は、本当に恰好良かった。
それに加え、このアルバムには最高の叙事詩であり、かつ最強の抒情詩でもある名曲“悪いひとたち”が収録されている。(歌詞の一部が削られてはいるけれど。)
ちなみに、僕のハンドル“23mm”は、このアルバムの収録曲“D.I.J.のピストル”の歌詞から取りました。


THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『GEAR BLUES』

ギヤ・ブルーズ

ギヤ・ブルーズ

地を這うようなへヴィなサウンドの1曲目“ウエスト・キャバレー・ドライブ”から、背筋がぞくぞくして興奮を抑えられない。この「濃い」音楽こそがロックンロールの真髄なんだ、と思う。最終曲の“ダニー・ゴー”に至るまで全てが感動的に素晴らしい。


Dragon Ash『Mustang!』

Mustang!

Mustang!

今では大分イメージが変わってしまったけれど、彼らはデビュー当時“普通の”ロックバンドだった。このファーストアルバムを聴くと、降谷建志という人が、実は優れたメロディーメーカーである、ということがよくわかる。“Baby Girl Was Born”なんか超名曲。


THE MAD CAPSULE MARKETS『PARK』

PARK

PARK

このアルバムが出た当時は、THE MAD CAPSULE MARKET’Sというバンド名だった。(いつの間にか「’」がなくなった。)このバンドもくるくる音楽性が変わってきたけれど、このアルバムぐらいから、今に至る方向性の“片鱗”くらいは見えてきたかな、と。異形のパンクバンドというイメージから、日本唯一(当時)のミクスチャー(もしくはインダストリアル・ロック)バンドへ変貌し始めた、というか。
ところで、この頃は歌詞の内容が、結構暗め。今と比べると、別のバンドか?と思えるくらい。あと、どうでもいいことですが、この頃のマッドのライブは、怖い、というイメージが強かったな…。


椎名林檎無罪モラトリアム

無罪モラトリアム

無罪モラトリアム

ぎりぎり90年代。説明不要だよね。大好き。個人的には、次の『勝訴ストリップ』までは大丈夫。3枚目になると、ちょっと高級すぎる…、って感じでした。この前の東京事変の『大人』は、そういう変な高級感が薄まって、とっても好きです。


Coccoブーゲンビリア

ブーゲンビリア

ブーゲンビリア

やっぱり、“カウントダウン”の衝撃は凄かった、というわけで。僕は、Coccoを聴きだしてから、「日本に真のヘヴィ・ロックのバンドはいない。唯一Coccoだけが、本物のヘヴィ・ロックを鳴らしている。」と思うようになりました。


橘いずみ『どんなに打ちのめされても』

どんなに打ちのめされても

どんなに打ちのめされても

「あなたは失格 そうはっきり言われたい」と唄う“失格”が、思春期の人間には刺激が強すぎました…。「女尾崎豊」なんて呼ばれ方もされていたけど、今思うと全然違うな。かなり、はまってました、高校時代。
こちらのサイトで、ちっちゃいけどジャケットの画像が見られます。→http://www.tachibanaizumi.com/prof.html


bloodthirsty butcherskocorono

KOCORONO

KOCORONO

「ロック的」というより、ある意味で「文学的」な音楽。轟音ギターがあっても、やはり文学的。歌詞が、ではなく、サウンドが。
でも、この人たち、メジャーからリリースしても、スポット契約ばかりだったみたいで、大きなお世話ながら行く末を心配してました。ここ何年かは安定してリリースを続けているので、よかったな、と。最近は、このバンドも、元NUMBER GIRL田渕ひさ子さんをギターに迎え*1、『banging the drum』とか、ロック的にも素晴らしいアルバムを作ってます。


BEYONDS『UNLUCKY』

あー、はまぞうでは見つからない。一応@TOWER.JPにて発見。→http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=943019&GOODS_SORT_CD=104
これは傑作です。日本のインディーズシーンの金字塔、と言ってしまおう。パンクとかグランジとかハードコアとかメロコアとか、細かいどーでもいいようなジャンル分けは忘れて、とにかく聴いてください、の1枚。“PRESENCE OF MY MIND”始め、名曲が目白押し。サーフ・ナチ・マスト・ダイ! ついでにナチ・パンクス・ファック・オフ!*2
あ、去年再結成したんだ。今年中にはアルバムも?! でも、このアルバムを出したときのメンバーで残っているのは、ボーカルの谷口氏のみ。


真島昌利RAW LIFE

RAW LIFE

RAW LIFE

あれ、どうも廃盤みたい? うーん、それはいかんな。ジャケットの画像はWEB上には見当たらない。(ヤフオクの粗い写真ならあるけど。)マーシーのソロ作品は、ブルーハーツハイロウズに比べて抒情的、というのが通説なんだが、このアルバムはそのイメージをぶち壊す素晴らしい作品だった。機会があったら、是非聴くべき。
動画を発見した。→http://www.youtube.com/watch?v=0LTsHGwRBBs
あと、ほとんど同時期のブルーハーツならば、『DUG OUT』が傑作。→asin:B00005HDLK




…というわけで、今回はなんとか10枚におさめました。でも、なんか入手しにくいものがたくさん含まれているような気も…。(特に後半。)しかし、まぁ、やっぱり偏ってますね。

*1:そうそう、ひさ子さん加入直後のライブを名古屋のライブハウスで見れたときは嬉しかったなぁ。ちなみに、そのときの対バンは、原爆オナニーズとenvyでした。

*2:それはデッド・ケネディーズだ。