この休みのおかげで

ちょっと読書が進みました。乱歩は初期短篇が、やはり圧倒的に面白い!
今は光文社文庫版の「全集」で読んでますが、既読の作品も含めて新鮮。
乱歩って、日本の探偵小説の元祖みたいに言われることが多いんですけど、実際の作品は、トリックや意外な真相が面白いと言うより、作者の世界観や価値観が濃厚に反映されてるところが面白いので、あんまり古くなってる感じがしないんですよね。
ありがちな言い方をすれば、時代とともに生活環境や生活様式が変わっても、人間の中身はそう簡単に変わらないということでしょうか。あるいは、作品の書かれた大正時代には現代に生きる人間の原型が完成していたのだ、とか。
まぁ、そんなうさん臭いことを言わなくても、「俺は乱歩の作品に共鳴するんだ」と言えばそれで良いんですよね。