2012年 私的洋楽ベスト15

さて、洋楽編です。邦楽編もロックに偏ってましたが、こっちも思いっきり偏ってます。


15位 Adler 『Back From The Dead』

Back from the Dead

Back from the Dead

これをリストに入れたいがために、ベスト15にしたという、ね。ガンズのオリジナルメンバーだったスティーブン・アドラー(ドラム)の新バンド、というかソロプロジェクトなのかな。今のところCDリリースはされてないみたいです。俺はAmazonMP3で買いました。
今どき、このど直球なLAメタルはかえって新鮮でしたね。これってただのバックチェリーじゃないか、という気もしますが、バックチェリーの元ネタをやってた人なんで許します(笑)。いや、ほんとにこれ力作だと思います。これがガンズの新作として出たとしたら、ちょっとがっかりだけど…、いやいやいや、ほんと好きなんですよ、これ。



14位 Jack White 『Blunderbuss』

Blunderbuss

Blunderbuss

White Stripesはなんとなくオシャレな人たちが好んで聴いてそうな雰囲気が気に食わなくて、全然聴いてませんでした。はい、言いがかりです。これは聴いてて楽しめたので、そのうちWSも聴くかも。



13位 Therapy? 『A Brief Crack Of Light』

A Brief Crack of Light

A Brief Crack of Light

Therapy?は90年代に活躍したバンド、という風にずっと俺も思ってたのですが、実は解散もせずにずっと活動し続けていた、ということを今年になって知って、そのタイミングでちょうど新作がリリースされたので、ついAmazonMP3で買ってしまいました。90年代もアルバムごとに大きく音楽性を変えてきたバンドだったんですが、このアルバムも当然のように90年代とは違うサウンドに仕上がっています。おっさんになっても現在進行形のへヴィロックを鳴らそうとするその姿勢が好きです。



12位 Vintage Trouble 『The Bomb Shelter Sessions』

Bomb Shelter Sessions

Bomb Shelter Sessions

これ、ほんとは2011年のリリースなんで、2012年のベストに入れるのは反則なんですけど、日本に本格的に紹介されたのは今年、ということで見逃してください。
これはリズム&ブルースをベースにしたロックンロールなんですが、こういうのをちゃんとモッズスーツでびしっと決めてやる、というのが多分一番「モテる」音楽ですね(笑)。実際、かっこいいです。ハードコアとかへヴィロックとかあんまりモテないです(苦笑)。いや、音楽そのものとモテるモテないは関係ないんですが。こういう「黒い」グルーヴというのも、たまにはいいな、というか。そのうちストーンズもちゃんと聴くかな。



11位 Neil Young & Crazy Horse 『Psychedelic Pill』

Psychedelic Pill (2cd)

Psychedelic Pill (2cd)

これは「怪作」の類かな。1曲目から27分超えの大曲という。それでいてプログレ的に構築された曲かというと全然そんなことはなく、タイトル通り、サイケデリックであり、フォークであり、グランジ的なフレーズが延々繰り返されるだけ、というもの。聴くと必ずこちらの体力を削られるタイプの作品ですね。



10位 Cloud Nothings 『Attack On Memory』

Attack on Memory

Attack on Memory

USインディーロックですね。これをスティーブ・アルビニが手掛けたということで、興味を持って聴いたのですが、これが当たり。個人的には、メタル色を感じさせないオルタナティブロックとしては久々にガツンと来ました。正直、ボーカルはちょっと弱い気がしますが、ベテランやロートルが多いこのリストの中で、これはほんとに若いバンドなんで、そこは目をつぶって今後にも期待。


9位 Muse 『The 2nd Law』

The 2nd Law

The 2nd Law

Museも若手と思ってたら、いつの間にかでかいバンドになりましたねー。結構大胆な新機軸の導入もありましたが、全体としてはたいへんMuseらしいシアトリカルかつへヴィなロックサウンドになりました。



8位 Mark Lanegan Band 『Blues Funeral』

Blues Funeral

Blues Funeral

これは激渋な傑作でした。これを聴いたおかげで、俺は今まで手を出してなかったScreaming Treesにまで手を出しちゃいました。聴きましょう。



7位 The Heavy 『The Glorious Dead.』

THE GLORIOUS DEAD [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC346)

THE GLORIOUS DEAD [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC346)

これもリズム&ブルースをベースにしたロックンロールですね。イギリスのバンドです。ただ、これはVTに比較すると打ち込みも使ってちょっとモダンな要素もあります。全体的には、黒いドロッとしたグルーヴがたまらん、ということで。



6位 Aerosmith 『Music From Another Dimension!』

Music from Another Dimension

Music from Another Dimension

大御所の新作というのは、ちょっと聴く方も緊張してしまうものです。外れだと、その悲しみも倍加するというか。Aerosmithの新作はファンの期待にきっちり応えるクオリティに仕上がっていました。そして90年代のようなゴージャスなハードロック路線の名残もありつつ、70年代のようなストイックなロックンロールサウンドを鳴らすことにも成功しています。まー、このバンドはスティーブン・タイラーがいかに気持ちよく歌えるかが肝、というのはずっと変わらないですね。何よりも2012年にエアロの新作が聴けるなんて、10年前には思いもしなかったなー。



5位 Deftones 『Koi No Yokan』

Koi No Yokan

Koi No Yokan

このタイトルが付いた経緯は知りません(笑)。これを最初に聴いた時の印象は「うお、キャッチーだな」というものでした。と言っても、Deftonesであることは変わりません。へヴィロックのベテランがこうして意欲的な力作を出してくるというのも今年の収穫でした。



4位 Frank Ocean 『channel ORANGE』

Channel Orange

Channel Orange

このリストの中では唯一の非ロック作品、ということになりますね。アルバム発売前にいろいろあって話題を振りまいた作品になってしまいましたが、そういうノイズを排除して聴いても素晴らしい作品であることは間違いないです。俺はいわゆる現代のR&Bの良いリスナーではないのですが、こういう内省的でありながら色気もある音楽というのは、聴いててゾクゾクしますね。各所で絶賛されているのも分かる、というか。



3位 Converge 『All We Love We Leave Behind』

All We Love We Leave Behind

All We Love We Leave Behind

ハードコアです! しかし、今年のメタルアルバムベストみたいなリストにも必ず名前が上がる作品でもあります。ハードコアやメタルのエクストリームな部分では多分に重なり合っているということの象徴みたいなバンドですね。これは聴くと暴れたくなる音楽。



2位 Soundgarden 『King Animal』

King Animal

King Animal

シアトルグランジの重鎮の再結成後初となるアルバムです。これはひょっとしたら最高傑作なのではないか、という気さえする力作に仕上がりました。とにかく、アルバム全体を通してのテンションが高い。90年代でもこの人たちこんなにアッパーな曲作ってなかったじゃん、などと思ったり。はっきり言ってしまうと、個々の楽曲の出来にばらつきのあった過去のアルバムに比べると、今作は捨て曲のないトータルとして素晴らしいアルバムです。



1位 Led Zeppelin 『Celebration Day』

2012年の第1位が30年以上前に解散したバンドの5年前の再結成ライブの録音、ということでいいのか、というのはTwitterでも何度も書いたことですが、本当なんだから仕方ないわけです。あえてこの作品の意義を書けば、この伝説的なバンドの音と映像が21世紀の品質で記録された、ということです。そして、過去のライブ盤などを聴きながら妄想するしかなかった「あのバンドのライブ」がここにある、ということです。
とにかく聴きましょう。



…というわけで、なんとか最後までたどり着けましたが、これでもあれも入れたかったなーという作品が多く*1、俺としては2012年は結構充実してましたね。そして、まだまだ聴けてない作品も多いので、その辺もこれからまだフォローしていきたいな、と。
ってなわけで、たぶんこれが今年最後の更新になりそうです。来年はもう少し更新頻度が上がるといいかな、と思ってます。

*1:NeurosisやGreen Day、あるいはLamb Of GodやMeshuggahを入れるかどうか、最後まで迷ってました。