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「派遣村」の問題は、住宅の確保の問題。

なんか、気が向いたので2日続けての更新です。次の更新は、もう来月になっちゃうかもしれませんが。
池田信夫先生→http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/caa6353a3bf77b62c7782d6bd09446a2
感想としては、「池田先生なら、こう言うだろうな」という以上のものでも以下でもありませんが、ま、ちょっと書きます。
一応念のために断っときますけど、俺は池田先生とは政治的立場は全然違うのですが、このエントリについては、ある程度同意できる部分もあります。「派遣村」の問題を政略というか、与野党の綱引きみたいなことに利用するのは反対ですよ、俺も。だから、そんな綱引きはやめて、当座の宿泊場所の提供だけではなくて、生活の建て直しが出来るようにするのを(要するに、住居をなんとかしようよ、ということ)さっさとやるべきだろう、と思っていますが。んで、緊急対策としては、わりと政府は頑張っているんじゃないか、とも思っています。あと、派遣村に集まった500人の問題だけじゃなくて、「完全失業者は250万人もいる」というもっと大きな問題にも、なるべく早く対応するべきでしょうね、もちろん。
それから、

もちろん「政治活動を主目的に活動している」ことは明らかだ。しかも、かなりメディアの扱いに慣れたプロがやっている。中核になっているのは労組や共産党の活動家だろうが、彼らは表に出ず、取材にはボランティアが対応する。「派遣」を前面に出したのも巧妙だ。労使紛争はメディアではあまり取り上げないが、派遣という新味があればネタになる。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/caa6353a3bf77b62c7782d6bd09446a2:title

というのも、そりゃそうだわね、と。たぶん、「自分は政治的には取り込まれていない」と考えているボランティアの人は多い、というか、ほとんどはそうだと思うんですが、「活動家」の人はそう思ってないし、こういったボランティア活動の外に居る人もそうは思わない。ここに、池田先生みたいな人の分析と当事者の意識との悲しい乖離があるな、とも思います。何が言いたいかって、ボランティアの人たちだって、それに賛同する人たちだって、選挙で共産党に入れてる人もそりゃ居るだろうけど、そうじゃない人も多いでしょ、と思うってこと。ま、それはいいです。わりとどうでもいい。

そもそも住宅を供給するのは、企業の義務ではない。会社をやめたら寮を出るのは当たり前だ。わざとらしく日比谷公園に集まって役所に住居を斡旋させるのは筋違いで、それに応じる厚労省も不見識だ。これが500人ではなく5万人だったら、彼らは同じことをするのか。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/caa6353a3bf77b62c7782d6bd09446a2:title

うんうん、確かに、企業に「住宅を供給する義務」は無いです。「会社をやめたら寮を出るのは当たり前」もその通り。でも、「役所に住居を斡旋させるのは筋違い」はそうかなー? 一応、「生存権」ってものがあって、それを保障するのは行政の義務じゃないかな、と思うのですが。そして、その保障を実際にするのが生活保護で、生活保護を受給できる条件はいろいろありますが、実際問題、住居が無いとか病院や施設にも入ってない状態だとその保護も受けられないんですよね。だから、住居が無い人に対しては、とにかく住むところを確保できるようにしないといけない。でも、行政はこれまで具体的な住宅の斡旋をあんまりやってこなかった。今、ちょこちょこ斡旋が始まっていますけどね。だから、この点については、池田先生の意見には、俺は反対です。
で、「それに応じる厚労省も不見識だ。これが500人ではなく5万人だったら、彼らは同じことをするのか」ということですけど、これこそがこれから問われてくることだと思うんですよ。俺は「500人ではなく5万人」でも同じことをするべきだと思います。厚労省の講堂に収まりきらなかったら、東京ドームとか日本武道館を使うんですよ。もちろん、これが無茶な意見だってことは百も承知です。
俺の感覚では、「派遣村」の問題は生存権やそれを守るための緊急対策の問題であって、経済の問題ではないです。要は、住宅の確保の問題。(今後、この人たちの雇用をどうするかという点においては、もちろん経済の問題ですが、俺は「公共事業をバンバンやれよ」とか乱暴な考えを持っています。でも、それはまた別の話。)
まー、なんつーか、ひどい言い方をすると「これはごね得だなー」みたいな感想は俺も持っていますよ、ぶっちゃけ。だけど、ごね得だけど、結果として、国家というか政府を引っ張り出したのはある意味では良かった。生活保護なんかは実施運用するのは自治体だから、自治体の権限や裁量を超えるような事態には「できないものはできません」って逃げることも出来る(ひどい話だけれど)。でも、国は逃げられませんから。
そして、今後の政府なり国の対応というのは、他の地方の同様な境遇の人たちに対する施策の重要なモデルケースになります。だからね、日比谷公園に集まっちゃったというのにも、それなりの意味があったな、と思います。
それから、ちょっとひどいなと思ったのが、このエントリのコメント欄のこれ。↓

左翼の限界 (池田信夫)   2009-01-07 11:28:23

わずか500人しか集まらなかった(しかも大部分はただのホームレス)というのが、左翼の限界をみせています。昔の学生運動なら、こんなしょぼい集会では大失敗です。小倉さんから「CPE騒動を見習え」というTBが来てるけど、おかげでフランスの雇用状況は最悪になり、失業率は10%を超えています。

http://www.ecareer.ne.jp/contents/oversea/f04_3.jsp

うーん、これはちょっとなー。確かに「派遣村」と名乗っておいて実態はホームレスばっかり、というのは騙された気がする人もいるでしょうけど。でも、昨日の俺のエントリでも書きましたけど、前からホームレス状態の人も、今回派遣切りで住宅を失った人も、同じですよ。状況としては何も変わらない。それを「ただのホームレス」とか言って切り捨てようとするのはどうなんでしょう。ホームレスってのは、長くやればやるほど抜け出せなくなるものなんですよね。環境的にも意識的にも。そういう人たちに対して、便乗でも何でも抜け出すきっかけを作ったという意味では、俺は意義があると思いますよ。ただ「左翼の限界」はその通りでしょうけど。
短くまとめるつもりが、だらだらと長くなってきてしまいましたが、要するに、「にわかのホームレス」と「ただのホームレス」を別物と考えるのはおかしい、どっちも現在ホームレス状態にあるのは変わりないのだから、緊急対策をきちんと講じるべきだし、恒常的なセーフティネットもそれはそれで考える必要があるよ、ということ。まとめると、つまんない結論ですね。
あー、あと、池田先生のエントリの後半の経済の話は、俺には言及できるほどの知識は無いのでしません。というか、よく分かりません。(製造業への派遣を禁止しても失業する人が余計増えるんじゃないかな、という気はするけど。ま、これもよくわかりません。)