ブクマコメントの修正についてと戸籍と国籍についてちょっと。

http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080521/1211388819』を読んで付けたブクマコメントを以下のように修正しました。
修正前↓

2008年05月22日 nijuusannmiri 社会 そもそも戸籍って必要なのか。日本と中韓台しかない制度だろ。韓国は廃止が決まったそうだ。/あと、国籍問題も微妙に絡む。日本は血統主義で国籍が決まるから。出生地主義なら、あまり問題にならない気もする。

修正後↓

2008年05月22日 nijuusannmiri 社会 そもそも戸籍って必要なのか。日本と中台しかない制度だろ。韓国は戸籍が廃止されたそうだ。/あと、国籍問題も微妙に絡む。日本は血統主義で国籍が決まるから。出生地主義なら、あまり問題にならない気もする。

太字が修正したところ。
今年の1月1日から、韓国では戸籍(戸主制)が廃止されていたそうです。
最初のコメントは、うろ覚えの記憶を頼りに、ちょっとググって調べた情報をもとに書いたのですが、その後、もう少し落ち着いて調べてみると、「廃止が決まった」のは2005年ごろで、制度自体は既に廃止されてることが分かりました。
で、その辺のことがよくわかるサイトがないか探してみたのですが、どうも今一つというか…。それこそ韓国語が読めればいくらでも出てくるでしょうが。とりあえず、行政書士さんのサイトが一番詳しいというか網羅的かなと思えましたので、リンクを貼っておきます。→『http://itaru-gyosei.com/sabu/korealow.html
ただ、韓国の戸籍制度の廃止とその代替制度を、どのように評価したらいいのかは、まだちょっと分かりません。制度の利便性を捨てても、個人の人権を尊重する、というのが趣旨のようですが、その結果が現れるのはこれからでしょうし。


ところで、僕自身それほど強い興味を持って戸籍問題について考えてきたわけではないのですが、まー、この制度、本当に必要なのかな、と。
いや、行政側にとっては、非常に便利な制度ですよ。知れば知るほど「日本には、住民基本台帳法ができる前から、実質、国民総背番号制があるんだよなー」と思えるほど。実際には、そこまで便利には使えてないみたいなんですけど。
でも、無戸籍児の問題もさることながら、戸籍って差別問題の温床でもありますからね。部落差別とか。
最近は、行政サービスやなんかは本籍地を明らかにしなくても良いものが増えましたが、運転免許証とかにはばっちり書いてあるわけです。例えば、就職の際などに、住民票は本籍未記載のものを提出すればよくても、運転免許証のコピーを添付するように指示されれば、そこから本籍地は分かってしまうわけです。形式的には、本籍地なんて(日本国内の住所ならば)どこにでも設定できるので、何の意味もないと言ってしまえばそうなんですが。*1
ただ、いくら本籍地を変えても遡って調べる手段はあるわけで、それは戸籍制度がある限り必ず付いて回る問題です。
だから、戸籍制度そのものをなくしてしまう、というのも差別解消の一つの手段ではあります。もちろん、本籍地がどこかによって差別を受けることがあるということそのものをなくしていく努力も必要ですが、それは人それぞれの意識の問題でもあるので、簡単には解決できないでしょうね。


あと、国籍の問題ですが、かつては日本は父系の血統主義を採用していたので、沖縄などで米軍兵士と現地の女性の間に生まれた子は日本国籍が取れない、ということがありました。さらに、父親の所在が分からない場合は無国籍状態になります。*2
無国籍であるということは、見方を変えれば、無戸籍でもある、と。(これは国籍法の改正により、現在は解消されています。父母のどちらかが日本国籍であれば、子も日本国籍が取れる。)
父系の血統主義のもとでは、父親が誰かというのが非常に重要だったわけです。そのことと、戸籍上の父親が誰になるのか、いわゆる「300日規定」が関係してるかというと、それはちょっと分からないのですが。
ともかく、日本では、国籍と戸籍が完全に連動しているので、ここら辺も関連する事柄として考慮する必要はありそうです。

*1:だから、実際に本籍地を役所の所在地にしている、なんて人は居るわけです。名古屋城内に設定しているという人だって居るらしいです、伝聞ですが。

*2:参考:アメラジアン - Wikipedia