テレビはなかなか死なない。

『テレビに関する残念なおしらせ - マ儿コの日記 - +』を読んで。
テレビって、ものすごくパワフルなんですよね。ものすごく強力なメディアなんです。それこそMarco11さんの文章を100回読んでも理解できない人でも、そもそも文字を読めない人でも、テレビなら一発で分かっちゃうわけです。しかも、見ている本人は何もしなくてよくて、ただボーっと画面を眺めてりゃいい。楽。
でも、だからこそ危ないわけで。
テレビはとにかく「分かりやすく」が至上命題なので、本来は分かりにくい、単純な言葉で語ってはいけないような事柄でも、簡単にデフォルメしてしまう。そこに落とし穴がある。
よく、ヤラセだの捏造だのが問題になって、WEB上でも炎上だのなんだのいろいろ話題に上りますが、そんなのは「分かりやすく」するための手段としては、まだ可愛い方です。それより、もっとずっと問題なのは、テレビは実に多くの情報をバッサリ切り捨ててしまっている、ということ。
数字に例えると「115.23じゃ分かりにくいから115ってことにしよう」「いや、それでも分かりにくいから100にして」…なんて作業を経て、放送されるときには、10くらいの情報になってしまっていることもありうるわけです。で、疑うことを知らない視聴者は結構それを信じちゃったりする。テレビに対して懐疑的な人は、意外と多いとは思いますが、そういう人にとっても問題なのは、放送された10という情報が、もともとは10なのか8なのか12なのか1000なのかすぐには判断できない、ということです。だから、心の中で「鵜呑みにはしないぞ」と留保を付けても、知らず知らずのうちに誘導されてしまうことがあるわけです。*1
だから、基本的にはMarco11さんのおっしゃるとおり。
でも、やっぱりテレビが強力なメディアでありツールであることは確かなので、テレビの天下はもう少し続くでしょう。で、インターネットとかのその他のメディアは、それとはあんまり関係なく進化し続けるんでしょうね。そこにおいては、ますます情報の格差とかMarco11さんの言う「知的水準」の格差は大きくなるような予感はしますね。
僕も結構テレビ好きなんで、見るのはそこそこに抑えとこうかな、と。

*1:良心的な作り手は、それでも10の裏に盛り込めなかった情報がたくさんありますよ、ということを匂わせてくれるのですが、そんなのは滅多にない。