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Bedlam in Goliath

Bedlam in Goliath

1曲目から飛ばしまくりの、かなりロック色の強いアルバム。というか、このバンドはロックバンドなんだが。ロック色が強いというのは、今までわりと小難しい実験的なアプローチばかりしていたという印象があるせい。
小難しいものは嫌いだ。「芸術」を気取るロックほど退屈なものはない。ロックは芸術より上なんだよ。いや、The Mars Voltaが芸術を気取っているという意味ではないのだけど。
もちろん、本当は上も下もないのだが。
ロックはポップスに拮抗してこそ輝く、と僕は考えている。そのためにはキャッチーさが必要だ。でも、ポップスに呑み込まれてはいけない。日本のロックと呼ばれている音楽のほとんどは「ロックっぽい歌謡曲」にすぎない。だから、つまらない。そうじゃなくて、ポップスを呑み込むんだよ。話がずれるが、ミスチルはその意味で正しくロックだ。マッキーや宇多田ヒカルはポップスの方だとは思うが、彼・彼女は自分の音楽をポップスに呑み込まれることなく、逆にそれを呑み込んでいるように感じられる。たとえギターの音が入っていなくても、体裁だけロックバンド然とした連中の音楽なんかより、むしろロックに聞こえる。
ロックには、ポップスに背を向けるという選択肢があるにはある。でも、それは「芸術」を指向するということではない。というより、オゲージツの高尚さやら価値観やらを叩き壊して丸めてゴミ箱へ放り込むということに近い。
僕は、だからなのか、「高級さ」を漂わせる音楽に対して、「すごいのは認めるけど、つまんねぇな」という評価を下すことが多い。お前ら、もっとポップスに向き合えよ、そんで、それを呑み込んでやろうとする気概をもっと見せろよ、とか思ってしまう。The Mars Voltaに対してもそのような意味での危惧はあった。
しかし、このアルバムはいい。
精神よりも肉体に直接訴えかけるような体力を持ちながら、精神をも満足させる知性がある。歌詞カードを読まなくなって久しいが、そして、英語なんて基本的にはよく分からないが、そんなことどうでもいい。とにかく、音楽に身を任せろよ。音楽は楽しい。
このアルバムの中の曲のPVがYouTubeにあるけど、これなんか、頭のおかしい人たちの集団にしか見えない。ほんとに最高だ。↓
The Mars Volta - Goliath 9分以上ある大作だけれど、曲の圧倒的な良さで飽きさせない。もし、これが退屈だったら、このバンドはあなたに向いてないので他を当たってください。