ブクマコメントの補足をちょっと。

2007年11月22日 nijuusannmiri こども, 福祉, 社会, 日本 かなり共感した。日本は子育てに親が払うコストが高過ぎる。楽しいかどうかという問題ではなく。あと、貧困でも生活保護を受ければ、出産関係費用は全部公費負担になるので、むしろ産みやすいという矛盾もある。

はてなブックマーク - 404 Blog Not Found:貧乏な社会で子を産むな

なんか、スターをたくさん付けてもらってて、嬉しいような気持ちもありますが…。
自分で書いといてなんですが、これ、どういう風に受け取られてるのかちょっと不安に感じました。なので、少し補足を。
小飼弾さんの元エントリは、「日本は子育てに関して、親が支払うコストが高過ぎる。もっと社会全体でコストを分担するべきではないか」ということだと僕は読みました。だから、その点については同意であるという意味で、「かなり共感した」と書きました。
後半の「生活保護」云々は蛇足です。


で、この蛇足についてなのですが、「貧乏人は子を産むな」という表現を受けてのことではあるのですが、そのことに対して僕がどう思っているのかが、このブクマコメントからは曖昧にしか読めないと思うのです。
で、実際のところどう思っているのかなんですが、「もし健康保険料を払えないほど生活に困窮しているのであれば,子供を作る資格などない」というのは、やや言い過ぎのきらいはありますが、さほど叩かれるべき意見とは思えません。子を養える能力が(あるいは養える状況に)ない者が、子を作るのは確かに無謀でしょうから。「資格」ということを言うと、「そう言うお前は、そんなことを言える『資格』があるのかよ」と返されてしまうわけで、その点は妥当性を欠くと思いますが、「自分自身の生活もままならない状況で、子を作っても十分な養育が出来ないのではないか。それは子にとっても不幸なことであるだろう」という意味においては、間違ってはいないと思います。
しかし、それでも子供というものはできてしまうものであるのもまた事実で。
できてしまったものは産まなくてはならないという状況はあるだろうし、生まれてきた子供には何の罪も責任もない。
そこをフォローするために「生活保護」というものがあるわけで。
生活保護を受けて出産する人たちには、それぞれに個別の事情があります。「無責任」と批判されうるような事例も中にはあるでしょうが、そうでないこともあるでしょう。生活保護を受けている状況が子を養育するのにふさわしい環境かどうかは簡単には言えませんが、現実的には、それ以外にどうしようもない状況であることも多いはずです。それに、生活保護を受けながら、立派に子育てをしている人もいるわけです。
だから、僕には現に生活保護を受けている人を批判・非難する意図はありません。と言うより、子育てにかかるコストが高過ぎる社会状況であるにも関わらず、生活保護を受ければ出産に関しては容易になっているという制度に矛盾を感じるし、ここの構造から変えなくちゃいけないんじゃないか、と考えるわけです。


親であることによって支払うコストは当然あって、それは今後も変わらないし、僕もそれを支払う覚悟はあります。でも、軽減できる部分は軽減されるべきでしょう。少子化云々が問題なら、当然そうなるはずだと思うのですが。