『子育てハッピーアドバイス』を読みました。

子育てハッピーアドバイス

子育てハッピーアドバイス

シリーズ累計150万部突破(と、新聞広告に書いてあった)の本に、今さら何か言うことなんてない、という気もしますが、この本がかなり「実用的」であったので、少し書いてみようか、と。
まず、一読して目についた本書の特徴を挙げてみます。

  • 1ページ当たりの文字数が少ない。≒文字サイズが大きい。
  • 全編に渡ってフルカラーのイラスト・漫画が挿入されている。
  • 厚めの紙が使われている。

つまり、とても見やすい(目に優しい)。さらにイラスト・漫画について言うと、

  • 全体的に暖色系の色彩が多用されている。
  • 絵柄自体も、丸っこくてかわいらしい感じ。
  • 漫画と文字テキストが並列(分離)しているのではなく、有機的に結びついている。

また、文字テキストも

  • 専門用語などはほとんど用いられず、平易な話し言葉風の文章で書かれている。

というわけで、とてもとても読みやすい。ほとんど一瞬で読めてしまう感じです。
内容自体は、実は特に目新しいことが書いてあるわけではなく、それこそWEBでも同じような情報を集めることはそんなに難しくもないように思えます。でも、それはこの本の欠点とは必ずしも言えません。
この本の想定されている読者層は、おそらく「若い母親」でしょう。
当然ながら、若い親というのは、そのほとんどが子育てに悩んでいるものです。そして、たいていは周囲に頼れるアドバイザーが居ないか、居たとしても、そのアドバイザーは親・親戚・友人などの場合(つまり、子育ての経験者ではあるが専門家ではない場合)が多いと思います。専門家でない人のアドバイスは、時々有益なものもありますが、その人個人の思い込みを押し付けられることも、結構あります。
そこで、良いアドバイスを受けることができていない「若い母親」にとって、“使える”本として書かれたのが本書である、と言えると思うわけです。


この本のいちばん良いところは、既に書いたように「とても読みやすい(≒すぐ読める)」ところ。(厚めの紙もめくりやすいのでいい。)家事や子育て(人によっては、さらに仕事)に追われる母親にとっては、この点は重要です。いくら、内容が良くても読むのに骨が折れる(時間が掛かる)ようなものでは、“使えない”のです。
さらに良いのは、この本の文章が、読者に対して非常に肯定的に書かれている点。当たり前と言えば当たり前のことですが、「説教くさい」ところや「今の親のしつけはなってない」などの否定的な言説は、全く出てきません。むしろ、現実生活でそういうことを言われてきて、疲弊している人に向けて作られている本なのですね。
で、肝心の内容は、読めばすぐに分かるので、ここでくどくど書いてもしょうがないのですが(興味のある人は、本屋で立ち読みでもいいので、ぜひ読んでみて下さい)、先日id:aozora21さんのところで読んだ記事の以下の部分↓

 あ、それでじゃ具体的にどうやってネガティブ感情に共感を示すかを参考までに。

 「くやしかったねえ」「つらいよね」「あたまにくるよね」とことばで感情に共感を示し、抱きしめてやる。落ち着いてから「叩くのはよくないよね」と行動をたしなめるのだそうです。
『メモ - 責めるんじゃなくて楽になろう』

まさにこのようなことなどが、具体的に“すぐ使えるように”書いてあります。*1


で、ここからが本当に言いたいことなのですが、これは「母親」だけでなく「父親」も読むべき本です。むしろ、父親が、読むべき。子育ての悩みは母親だけのものじゃないんだから。
とくに、家の本棚に、本書が知らないうちに置いてあったなら、絶対に読まなくていけない。だから、この本を読んで気に入ったお母さんは、旦那さんの目に付くところに必ず置いておきましょう(笑)。そして、もし旦那が読んで、この本についてどうでもいいような文句を付けはじめたら、いろいろ考えた方がいいかもしれません(←こらこら)。
ま、うちも子育てに悪戦苦闘している最中なので、こういう“実用書”のありがたみが身にしみて分かるんです、という話でした。


あ、念のために付け加えておきますが、本書の内容なんて既に頭に入っていて、今さら読む必要がない、という人も当然居ると思います。本書の内容が、見当外れに思える人も居るかもしれません。もちろんそういう人たちは読む必要はありません。

*1:これって、本当にカウンセリング技術の基本中の基本なのですが、そういうことに全然触れずに、さらっと書いてあるところも良い。