『トゥモロー・ワールド』を観ましたよ。

近頃、「映画好き」という自称を返上しなければならないほど、映画館に行っていない。DVDも観ていない。ついでに言うと、「音楽好き」も危ない。毎日聴いてはいるけれど、CDを最後に買ったのはいつだったか、真剣に考えないと思い出せないほど。
これはまずいなぁ、と思っていたところに、月曜日に奇跡的に時間が作れたので、名古屋市内の某シネコンに行ってきました。
そこで、id:matsueさんが強力にプッシュしていたトゥモロー・ワールド』を観ることにしました。
で、感想とか書く前に、当日の劇場のあまりにも悲惨な状況を少し。いや、平日の昼間なんてそんなものかもしれんが、観客が俺1人って、どういうことよ? 他の作品の状況は分からないが、大丈夫か、某シネコン!? 余程、人気が無い映画なのか? 『グエムル』でももうちょっと入ってたぞ。少し遅れて劇場内に入ったので、予告編が始まっていたのだけれど、暗い中、座席番号を確認するの大変だなと思って、場内を見渡したら誰も居ない…。いろんな意味でありえないだろ、これ。客席のど真ん中で、靴も脱いで、前の座席に足を投げ出して、思いっきりくつろいで観れたから別にいいけど。まさに、プライベートシアターか。


肝心の映画は、最高に素晴らしい傑作でした。いや、ほんとに、太字で強調したくらいでは収まりがつかないほどの。
西暦2009年以降新たに子どもが生まれなくなってしまった世界の、2027年のイギリスが舞台。ただ、そういうSF的な設定やなんかから、ハリウッド的な“SF超大作”を期待すると、肩透かしを喰らうことになりそう。
映画を観て衝撃を受けることは、僕にも何度かあるわけですが、これほどの衝撃は『ファイト・クラブ』や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』以来かも。と言っても、これらの作品に『トゥモロー・ワールド』が似てる、という意味では全くありません。
あらすじを書いたりするのは得意じゃないし、そもそも好きでもないので省略。あと、あのシーンがすごい!とか、あの映像技術がすごい!とかそういうのもなし。それを始めると、結局、全部を説明してるのと変わりなくなってしまうから。まぁ、観れば分かりますから。
でも、“近未来”を描くようなふりをして、これほど“現在”を濃厚に描いて見せた作品は、他にはあんまりないよ、ということだけは言えると思います。そして、これほど“リアルな”暴力を描きながら(それは、この“現実”という世界が暴力に溢れているからでもありますが)、「この映画を作った人は、きっと優しいんだろうな」と思わせる作品も。


…と、ここまで書いてきて、この映画についての他の人の感想も、WEB上でちらほら読んでみたのですが、手放しで絶賛ってわけじゃないのか。それも当然かな、と思います。僕は「リアルだ」と思ったけれど、そう思わない人もいるだろうし、僕は号泣してしまったけれど、「何これ?」と感じる人も居るでしょう。
でも、僕にとって大事なことは、僕が感動してしまった、ということだけ。他の人がどう感じるかは分からないけれど、「観ていないのなら、観た方がいいよ!」ってお薦めしたい。DVDが出たら買う。


※追記

あと、大きなお世話なのだけれど、この映画の感想を聴きたい人が何人か居ます。そのためにトラックバックしたり、コメントしにいくのも失礼かな、とも思いますが、こそっと書いてしまうと、yuki1976_2さんとaozora21さんです。