そういえば、何年か前にゲイの友達と話したことを思い出しましたよ。

たしか2002年頃、橋口亮輔監督の『ハッシュ!』って映画を観た直後に、「こういう映画って、本当のゲイの人はどう思うのかな」ということを疑問に思って、(僕にとって唯一の)ゲイの友達の家に遊びに行って、話をしたんですね。その友達は、たまたま橋口亮輔監督のファンで他の作品も全部見てる人だったんですが、まぁ、結局「ゲイの人でも、面白いと感じる人も居れば、そうでない人も居て、いろいろだよ」という、ありきたりの結論になったのですが、そこから派生していろんな話題に繋がっていって。
結構長い付き合いの友達なので、僕の方もあえて偏見とか先入観もさらけ出して、ぶしつけな質問を彼にしました。「日本では同性同士の結婚が認められていないせいからか、同性愛者の恋愛は刹那的だ、というイメージがあるんだけど、本当のところはどうなの?」とか。それに対して、彼は「うーん、確かにそういうところはある」という返答。で、さらに僕が「じゃあ、日本でも同性同士の結婚が認められれば、それが変わる(刹那的じゃなくなる)と思う?」と尋ねると、「多分、変わると思う」と彼は答えてくれました。
その話は、その場限りで終わって、その後は特にこの問題について話したことはないです。
もちろん、彼の言葉が日本のゲイの人たちの代表的な意見とは言えないし、そういうことを言うつもりもありません。今から考えると、彼は僕が聴きたい言葉を言ってくれてたのかな、という気がしないでもないですし。
ただ、結婚って当たり前のようでいて、全然当たり前の制度ではないし、何か絶対的な価値があるかというと、そんなわきゃないし、そんなことはぐるぐる考えたな、そのときに。
ま、「紙切れ1枚」のものだ、ってことは、常に頭の片隅に思ってますけどね。当時も、その前も、今も。