共謀罪

あんまりね、社会問題とか時事問題とかを取り上げたくないわけですよ、ほんとは。個人的な好みの問題として。そりゃ、ニュース見たり聞いたり読んだりして、いろいろ思うことはありますよ、僕だって。けど、そういう問題を取り上げると、生半可な知識しか持たないのに、つい偉そうなことを書いてしまいそうで。そういう自分をよく分かっているから、逆にあまり書きたくないのです。
でも、世の中にはそうとばかり言ってられないこともあって、つまり、こういうこともあるわけですよ。→反対派『恣意的判断怖い』共謀罪で参考人質疑(東京新聞)
記事中に、櫻井よしこさんの発言として「(同じ法律を施行しても)他の国では起きえないことが日本では起きる。こうですよと決めると、ダーッと走る癖がこの国にはある」と書いてあるのですが、かなり当たっていると思います。
ちなみに、法務省

といった記事で、「共謀罪について、巷で言われているような心配は必要ありませんよ」ということをアピールしています。
それに対し、日弁連

という記事を発表しています。
まだ、これらの記事を読んでいない方は、是非読んでみて下さい。そして、この問題について考えてみて下さい。なるべく自分自身の問題として。
僕が考える一番の問題は、「この法案においては、共謀罪は、実行の着手前に警察に届け出た場合は、刑を減免することとなって」(上記、日弁連の記事より引用)いるという点です。要するに「密告の奨励」ですね。場合によっては、意図的に人を陥れることができる可能性があるわけです。
もちろん、この法案が通ったことによって、すぐに日本が「監視社会」になるとは限りません。でも、そうなる可能性が随分高くなるのは、間違い無さそうに思えます。
本来、「共謀罪」という概念が生まれた背景には、「安全に暮らせる社会を希求する」ということがあったはずです。それ自体はごく当然のことなのですが、あまりにそれが行き過ぎてしまうことにより、「安全ではあるけれども、(他人に心を許せないという意味で)安心はできない社会」が作られつつあるのかな、という気がしています。
現在でも、セキュリティー強化が声高に叫ばれていて、それは仕方ない面もあるかもしれませんが、なんだか世の中がどんどんギスギスした雰囲気になっていってるよなぁ、なんて思ってしまうのです。