23mmはオタクではなく、ミーハーである。

ここの日記を読んでもらえれば、僕のオタク度がかなり低いことはわかってもらえると思うのですが(かといって、あらためて読み直してもらう必要もないですけど。でも、読んでくれたらそれはそれで嬉しいんですけど)、僕自身はむしろミーハーであると自己規定しています。それが、どういうことなのか書いてみよう、というのが今回の記事の目的です。


はてなダイアリーキーワードの「オタク」の項やWikipediaの「おたく」の項目を見ると、かなりの分量が割かれて説明されています。それに対して「ミーハー」という語句については、はてなダイアリーキーワードでは辞書等の引用に留まっていますし、Wikipediaの場合も、まぁこの程度の記述です。
で、これらの定義に僕がどうこう言うつもりは全くないんですが、読んでいるとつくづく僕は「オタク」ではないんだなぁ、と思うんですね。
僕は、アニメにしても漫画にしても、オタクと親和性の高いジャンルのものは嫌いではない、というか積極的に好きなことが多いです。他のジャンルについても、例えば音楽なんかは(実生活では)他の人から見れば、かなりこだわりを持って聴いているように思われているようなので、ある意味オタク的と言えなくもないのですが、やっぱり何か違うわけです。(僕はここでは、「オタク」という言葉に「マニア」のニュアンスを意図的に含ませています。両者の違いはちょっと僕の手に余るので、ここでは棚上げしときます。)


何が違うのか。
僕は「オタク」というのは、「特定のジャンルないし対象に対して深い愛情を持ち、その周辺まで含めた情報を網羅し、追求していくことに喜びを感じる人」だと思っているんですが、どうも僕は「情報を網羅し、追求していくこと」にはあまり喜びを感じない人間のようなんですね。
僕は高校生のときに、NIRVANAが大好きでカート・コバーンに対して自己同一視してしまうほどだったのですが、それは言ってみれば思春期病のようなもので、オタク的な愛情とはちょっと違うと思います。オタクの人は、むしろ好きになる対象との距離感がわりと取れているんではないか、と僕は想像しています。


さて、オタクという言葉が浸透してきた頃、僕は中学生くらいだったと記憶していますが、テレビアニメや漫画やミステリー小説が好きだった僕は、自分が今後オタクになる可能性は結構高いと思っていました。ネガティヴなイメージも強かった言葉ですが、ちょっと憧れとか尊敬とかの気持ちもあったような気がします。自分の好きな道を極めているという意味で。
ところが、その後、年齢を重ねてきても自分は一向にオタク化しない。
これはどうも僕にはオタクになる資質があんまり無かったらしいぞ、ということに(ようやく)気付いたのは大学生の頃。
音楽なら、グランジロックが登場してきたときはNIRVANAPEARL JAMにどっぷり浸かり、インダストリアルメタルが出てくればNINE INCH NAILSに心奪われ、へヴィロックの嵐が吹き荒れればRAGE AGAINST THE MACHINEKORNMARILYN MANSONやTOOLばかり聴いていたし、ヒップホップが恰好良いと思えばEMINEMCYPRESS HILLを一通り聴いてみるとか。
本で言えば、京極夏彦面白そうとなったらそればかり読み、安部公房が気になったら、舞城王太郎が出てきたら、森達也が引っかかったら、もうそればっかり。
ジャンルを掘り下げていくというよりも、そのときそのときで自分の琴線に触れたものを節操無く漁っていく姿勢が、ミーハー体質なんだよなぁ、と分かったのです。*1


で、結局何が言いたいのかというと、僕という人間は自分が好きなものに対して、分析的な見方をあんまりしないんですね。というか、出来ないんですよ。具体的にどういうところが好きなのか、なぜ好きなのか、ということが分からない。時々分析を試みるんですがあんまり上手くいかないことが多い。むしろ、「これが好きなんです。なんだかよく分からないけど好きなんです。だってしょうがないじゃない」という方向に行ったほうが良さそうな気がします。
それはミーハー体質に起因するんじゃないのかと。
一点に集中して深く追究するよりも、目に入る気になるもの全てを楽しみたいという気持ちが勝っているから、分析が苦手なのではないか、と思うわけです。
これは、僕だけのことかもしれません。でも、他にも当てはまる人がいるのではないでしょうか? 
まぁ、この違いが、広くいろんなことを知っているゼネラリストと、専門分野を極めていくスペシャリストの違いなんだ、と言い出すと、それはちょっと眉唾ですが。*2


ところで、僕は以前の記事で、「自分はid:michiaki萌えでid:ululun萌えだ」という意味のことを書いていたのですが、それが具体的にどういうことなのか、僕が何に萌えているのか、ということをあんまり掘り下げずに放置していました。(というか「萌え」ってなんだ、ってレベルだったんですが。覚えたての言葉を使ってみたいというか。でも、「萌え」って言葉を使ったら、あまりにも自分の中でしっくりきたので、ちょっと驚いたり。)
ただ、ここしばらく気にはしていたことでもあるんですね。
なので、ここまでくどくどと「僕は好きなものの分析が苦手」と書いてきたのにもかかわらず、次回あたりでこのことの分析をやってみようかと考えています(!)。
僕は彼らのどこに惹かれているのか、何が引っかかっているのか、そういうことを書く予定。
しかも、最近どうも「『弁償するとき目が光る』さん萌え」もあるみたいなので、ついでにその辺のことも書いちゃいます(!!)。
ほんとか?

*1:ただし、熱狂の時代が過ぎても、一度好きになったものは、継続してずっと好きです。ここに挙げたものは、全て今でも好きなものばかり。

*2:というかゼネラリストとスペシャリストの間には、大量の「ふつう」という人が居て、僕自身はそれかもしれません。